中国の歴史とゴマの関係

ゴマ由来のセサミンが健康成分として認められてからまだ日は浅いのですが、セサミンの原料であるゴマは古くからその効果が認められてきました。
中国では古い文献に、ゴマの効果が記載されているほどです。
日本と同様にゴマの消費大国である中国は、どのようなゴマの歴史を持っているのでしょうか。
ゴマの有効成分の中で、ダントツの含有量を誇るセサミンの効果を体感していた中国の歴史とゴマの関係を掘り下げます。

ゴマの歴史と中国

ゴマの原産地は熱帯地方のアフリカにあるサバンナです。
ここでは今でもゴマの野生種が生えていることから、原産地と考えられるようになりました。
しかし栽培の歴史は、紀元前3500年以上前のインドから始まります。
ここからヨーロッパや中国に広まっていったと考えられていますが、中国でいつからゴマが食されていたかはわかっていません。
ゴマは漢字で「胡麻」と書きますが胡は中国の西方を意味し、麻はゴマが小さい麻の実によく似ていたことから、この漢字になりました。
これらの漢字から、ゴマは中国の西方の地域から伝えられたのではないか、と考えられます。

歴史書に残るゴマのパワー

中国では古い時代に記された書物に、ゴマに関する記述が残っています。

・『神農本草経』
中国に現存する最古の薬草に関する書物です。
編者や成立ははっきりしていませんが、1~2世紀ごろの書物と推定されています。
この書物には1年の日数と同じ365種類もの健康関連の植物や動物、鉱物が載せられていますが、ゴマもその一つに入っています。

主な薬草を効果から、以下の3つに分けてあります。

下薬...病気を治してくれる健康回復のための治療薬。
毒性の高さから短期間の使用がよい。
中薬...滋養強壮など、体力を増進するのに向いている薬草。
使い方を誤ると毒になる。
上薬...生命を養い、不老長寿をもたらす。
毒性がないため、長期的な服用に向いている。

この中でゴマは上薬に分類されていて、不老長寿の効果がある薬とされました。
今から約2000年近くも前にはセサミンの成分名を知らずとも、ゴマの効果は認められていたわけです。

・『倹約重宝記』
中国に古くから伝わる書物の一つです。
ここには何十年もの間、ゴマを一握り食べ続けた老人の話が載っています。
話によると何十年もゴマを摂取するという健康習慣を続けた結果、老人は働き盛りに差し掛かった壮年のように若々しかったとされてます。
ゴマにはセサミンに代表される抗酸化成分以外にも鉄分やタンパク質、カルシウムが含まれています。
これらの栄養成分と抗酸化成分が組み合わさることで、老人は若さを保てたのかもしれません。
今でいうアンチエイジングに通じるものがありますね。

科学的に解明される前から健康効果を体感していた中国は、現代においてもゴマが人気です。
漢方薬としてもゴマが用いられることから、ゴマを薬として用いた歴史は長いものがあります。
日々の料理にもよくゴマが使われており、使用方法はぜひ参考にしたいですね。
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