ゴマ油に含まれる成分

私たちが普段、食材として用いるゴマは昔から世界中で滋養強壮によいとして重宝されてきました。
このゴマを絞って作られるゴマ油は、他の油と比べて劣化しにくいという特長があります。
なぜゴマ油は劣化しにくいのか、その理由を見ていきましょう。

ゴマ油に含まれる脂肪酸

ゴマ油には大きく分けて、リノール酸とオレイン酸の2種類が含まれています。

・リノール酸
リノール酸は大豆油や菜種油に含まれる油で人体で合成することができないため、食事から摂取する必要があります。
適量を摂取するとコレステロールを減らす働きがあり、必須脂肪酸の一つです。

・オレイン酸
オリーブオイルに多く含まれることで知られる脂肪酸の一つです。
熱に強く酸化されにくいことから、活性酸素の一種である過酸化脂質の発生を抑える働きがあります。
人体でも合成できますが、オレイン酸の摂取は前述の酸化されにくいという特長からガンや動脈硬化の予防に役立つため、食事から積極的に摂取したい成分です。

この他にもゴマの油には15%前後、飽和脂肪酸が含まれています。

ゴマ油に含まれる抗酸化成分

ゴマの油には脂溶性の抗酸化成分が含まれています。
活性酸素は病気の元凶となる物質で現代ではストレスや紫外線の影響、化学物質の取り込みなどで体内で大量に発生しています。
しかし抗酸化作用を持つ成分を取ることで、活性酸素が体を酸化するのを防ぐことができます。
この抗酸化成分の中で、ゴマの脂質に含まれるのがゴマリグナン類やビタミンEです。
それぞれの成分の特徴を見ていきましょう。

・ゴマリグナン
ゴマに含まれるポリフェノールがゴマリグナンです。
代表的なものにセサミンやセサモリン、セサミノール、セサモールなどがあります。
ゴマ全体の中では1%ほどしか含まれていませんが、ゴマ油が劣化しにくいのはゴマリグナンが強力な抗酸化作用で酸化を防いでいるからです。
ゴマ油の色によって、含まれているセサミン以外のゴマリグナンの量にも違いがあります。
茶褐色のゴマ油にはセサモリンが焙煎過程で変化することで、セサモールと呼ばれる抗酸化成分が多くなります。
サラダ油と色が似ている透明のゴマ油には、脱色過程で生じるセサミノールが多く含まれています。
ゴマリグナンは抗酸化成分として、肝臓で働くことが最大の特長です。
肝臓で発生する活性酸素を抑えてくれるだけではなく肝機能をサポートし、ガンや生活習慣病に繋がる動脈硬化を予防する働きもあります。

・ビタミンE
抗酸化作用を持つビタミンとして、ビタミンCと並んで知られているのがビタミンEです。
ビタミンEは若返りのビタミンとも呼ばれることがあり、体内では細胞膜に多く含まれています。
ゴマリグナンと同じくガンを予防するだけではなく血管の流れを改善したり、シミやシワを予防する働きがあります。

ゴマの油には、私たちの健康に欠かせない成分が多く含まれています。
しかし脂質は高カロリーであることから、大量に取りすぎないようにしましょう。
ゴマ油のカロリーが気になる時は、セサミンなどの抗酸化成分のみを取り出したサプリメントもおすすめです。
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