セサミンとウコンの肝臓への効果

二日酔い対策になるセサミンとウコン。
それぞれ異なる種類のポリフェノールを含んでいますが、両方とも肝臓にとって良い効果をもたらします。
どのように肝臓に効いていくのか、詳しく見ていきましょう。

セサミン

セサミンはゴマリグナンと呼ばれるゴマに含まれるポリフェノールの一種です。
強い抗酸化作用を持ち、肝臓に届くことを特長とする抗酸化物質です。
『沈黙の臓器』と呼ばれる肝臓には1日に約2160ℓもの血液が流れこみ、解毒や胆汁の生成、代謝を司ります。
そして大量の血液を取り入れながら、5000以上にわたる様々な機能を果たす肝臓には、活性酸素が発生しやすいというデメリットもあります。
体内で発生する活性酸素の約8割は肝臓で発生することから、この臓器の老化は全身の老化に繋がるといわれています。
そのため肝臓での活性酸素を、どのようにコントロールしていくかが健康を保つポイントです。
またセサミンはその抗酸化作用から肝細胞の酸化を防ぐだけでなく、アルコール分解を進める酵素ADH(アルコール脱水素酵素)とALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)を活性化させます。
特にアルコールがどのくらい分解できるかどうかは、酵素のALDHが握っています。
セサミンがその酵素を活性化することにより、体内でのアルコールの分解は早く進み、二日酔いを防ぐ働きがあります。

ウコン

セサミンと同じく、肝臓によいウコン。
ウコンがいいとされる理由は、主成分クルクミンにあります。
クルクミンは主に3つの効果があり、肝臓以外にも効果を発揮します。

(1)抗炎症作用
ウコンに含まれるクルクミンには、抗炎症作用があります。
人間の体内では真菌や細菌に反応して、生体を守る働きがあります。
防御反応は外界からの病原体を防ぐ働きだけでなく、ウィルスに感染した異常な細胞を除去する働きがあります。
しかし慢性炎症の状態が続くと防御反応により発生した活性酸素などが増えすぎてしまい、ガンを促進する結果となります。
このことから、抗炎症剤はがんを予防する働きがあります。
クルクミンの炎症を抑える効果は医薬品にも劣らないほどで、研究でも大腸がんや胃がん、肝臓がんの発生を抑えることが報告されています。

(2)胆汁の分泌を促進
肝臓で作られる胆汁には、脂肪の分解をサポート作用があります。
膵臓から出される膵液にはアミラーゼやリパーゼといった酵素が含まれており、脂肪をグリセリンと脂肪酸に分解する働きがあります。
それらの酵素を活性化させ、分解で作られた脂肪酸を吸収しやすい形に変えるのが胆汁の役目です。
また、胆汁は肝臓で生成された物質を胆管を通り、腸へと排出させます。
この胆汁の分泌を促す作用がクルクミンにはあり、結果として肝機能を向上させます。

(3)抗酸化作用
セサミンと同じく、強力な抗酸化作用がクルクミンにはあります。
体内にクルクミンが入ると消化酵素により、テトラヒドロクルクミンとなります。
この物質の抗酸化力は赤ワインに含まれるポリフェノールの2倍です。
肝臓の様々な機能に伴い発生した活性酸素を除去することで、肝臓や体内の老化防止に役立ちます。

それぞれ異なる面から肝臓や健康をサポートするセサミンとウコン。
両方を取り入れることで、より肝臓を守り、強化する効果が高まります。
健康な生活を送るためには、少しずつ毎日に取り入れていきたいですね。
Column関連コラム一覧
トップに戻る