セサミンとポリフェノールの相乗効果について

ポリフェノールは自然界に約5000種類以上存在し、植物の種子や皮に含まれる渋みや苦み、色素成分です。
健康食品でお馴染みのセサミンは、相性の良いポリフェノールと一緒に取ることで相乗効果があります。

ポリフェノールとは

抗酸化作用があり、健康増進やアンチエイジングに効果的なポリフェノールは、植物のみに含まれる成分です。
日本茶に含まれるカテキンや、赤ワインに含まれる老化防止で有名なレスベラトロールもポリフェノールの仲間です。
(1)ポリフェノールの種類 ポリフェノールは大きく分けて色素からなるフラボノイド系とそれ以外のフェノール酸系に分かれます。
・フラボノイド系 フラボノイド系は植物の色素に含まれており、ポリフェノールの約90%を占める最も多い種類です。
このグループ上でよく知られているポリフェノールとしては、ベリー系に含まれるアントシアニンや大豆イソフラボン、緑茶のカテキンがあります。
・フェノール酸系 フェノール酸系にはリグナン、エラグ酸、クマリン、クロロゲン酸、ジケトン類があります。
リグナンの代表はごまに含まれるゴマリグナンです。
ゴマリグナンの中でセサミンは含有量がトップですが、それでもごま1粒の0.5%程しか含まれていません。
ごまの中では含有量が1番多いセサミンですが、ゴマリグナンは他にもセサモール、セサモリン、セサミノールがあります。
効果としては肝機能の改善や血行促進、精神安定作用、血圧低下などがあります。
エラグ酸の代表例はイチゴやラズベリーで、クマリンはパセリや人参に含まれます。
クロロゲン酸はコーヒーが有名で、ジケトン類はウコンに含まれるクルクミンが知られています。

セサミンとあわせて取りたい成分

セサミンと相性の良い成分としてはビタミンEやコエンザイムQ10、DHAなどがあります。
しかしセサミン自体もポリフェノールであることから、相性が1番よいのが同じポリフェノールです。
セサミンは肝臓で直接効果を発揮するポリフェノールですが、他のポリフェノールと組み合わせることでより広範囲に高い抗酸化作用を発揮できます。
抗酸化作用を高めることで活性酸素による細胞の酸化を防ぎ、老化防止や生活習慣病予防に繋がります。
(1)赤ワインに含まれるレスベラトロールとプロアントシアニン セサミンには血圧の低下作用がありますが、赤ワインのポリフェノールも同じ効果があります。
具体的には赤ワインのポリフェノールは、加齢によって血管の内皮機能や収縮に関する機能が衰えるのを防ぐ働きがあります。
血管の内皮とは血管の1番内側の細胞を指し、血管の収縮などの運動機能や養分や水分を行き来させる透過性の役割があります。
抗酸化力が強いプロアントシアニンは脂質の酸化を防ぐことで、血管内皮細胞を傷つける、過酸化脂質の生成を防ぎます。
この働きによって血管内皮細胞の老化が食い止められ、血管の老化を防ぐことができます。
また赤ワインに含まれるもう一つのポリフェノール、レスベラトロールは血管を拡張させる物質、一酸化窒素増加させることで血流を改善します。
一酸化窒素は収縮した血管を広げる、血管拡張作用があります。
高血圧は血管が様々な原因で狭くなり、その中を勢いよく血液が流れることで圧力がかかった状態を指します。
これに対して、レスベラトロールが血管を拡張することで、血管にかかる圧力を改善し、血流を良くして高血圧を改善する効果があります。
セサミンは肝臓で発生する大量の活性酸素を抑えることで、血管をふくめた体全体の活性酸素による害を防ぎます。
この働きはプロアントシアニンと同じく、血管を過酸化脂質から守ります。
また、肝臓で働くことで肝臓の脂質代謝を正常にし、血液中のコレステロール値を正常にするサポートをします。
コレステロールが正常になれば、ドロドロ血液は改善され、血流も改善されます。
このように血圧やコレステロールを改善する赤ワインポリフェノールとセサミンを組み合わせることで、血管の老化を防ぎ、血流改善の相乗効果に繋がります。
血流が改善されることにより、血管に圧力がかかった状態を解消していきます。
(2)レモンポリフェノール レモンの皮に含まれるポリフェノールには、赤ワインと同様に血管の内皮機能を改善する効果があります。
人間は血管と共に老いていきますが、レモンの皮に含まれるポリフェノールは血管を拡張し、血液の凝集などの機能を調節してくれます。
赤ワインに含まれるレスベラトロールと同様、動物を対象にした実験では血圧低下の作用も認められました。
セサミンも抗酸化作用による高血圧改善効果があります。
セサミンが血管内の細胞の酸化を防ぎ、レモンポリフェノールが高血圧状態で狭くなっている血管を拡張することで血圧正常化へ働きかけます。
(3)ウコンに含まれるクルクミン ウコンに含まれるクルクミンも、肝機能を改善するポリフェノールです。
クルクミンは胆汁の分泌を促し、アルコールの分解を促す効果があります。
胆汁は水と油の両方になじむ性質を持つことから、体内で脂質の消化・吸収をサポートします。
また胆汁には二日酔いの原因であるアセトアルデヒドの代謝を促す作用があります。
この胆汁の分泌をクルクミンが増やすことで脂質とアルコールの代謝が促進され、肝機能改善に繋がります。
セサミンもクルクミンと同様に胆汁の分泌を促す働きがあります。
セサミンと合わせる事でより胆汁の分泌が促進され、肝臓で脂質やアルコールの分解能力が高まります。
(4)玄米ポリフェノール 血行促進に効果的な玄米ポリフェノールであるガンマ(γ)・オリザノール。
γ・オリザノールは米の胚芽部分に多く含まれ、血行促進やコレステロールなどの血清脂質の改善に効果があります。
特にコレステロールについてはセサミンと同様にHDL(善玉)コレステロールを増やし、LDL(悪玉)コレステロールを低下させます。
LDLコレステロールは体内で増えすぎることで動脈効果の原因になりますが、HDLコレステロールが増えることで、余分なLDLコレステロールの再利用が進みます。
このγ・オリザノールはコレステロールのバランスを整える働きがあります。
γ・オリザノールのコレステロール低下作用については、医薬品としても認められているほどです。
セサミンと組み合わせることで同じ作用をもつことから、悪玉コレステロールの低下に相乗効果があります。
セサミンと同じ効果があるとしても、ポリフェノールによって働き方は様々です。
自分が得たい健康効果に絞って、セサミンと他のポリフェノールを組み合わせるのがおすすめです。
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