セサミンとEPAの関係

青魚に含まれる成分としてDHAと並び、よく知られているEPA。
一方、セサミンはゴマに含まれる抗酸化成分です。
一見すると関係のない成分のようですが、実は一緒に取るとメリットがあります。
どうして組み合わせるといいのか、詳しく見ていきましょう。

EPAの健康効果

DHAと並んで話題となるEPAは、どちらも魚に含まれる成分の一種です。
オメガ3脂肪酸と呼ばれる不飽和脂肪酸の一種で、体内では合成されないため食事から取る必要があります。
牛肉や豚肉などから取れる飽和脂肪酸は様々な病気との関連が指摘されていますが、不飽和脂肪酸には、血液をサラサラにする効果や記憶力の向上など、様々な健康効果が指摘されています。
EPAは1960年代にエスキモーの調査を行ったことから、研究が始まりました。
エスキモーは生活環境からほとんど野菜を取りませんが、健康的な高齢者が多いことが特長です。
様々な調査がなされた結果、血液中のEPA濃度がデンマーク人と比較して約35倍にも上ることが判明しました。
このことにより、EPAの健康増進効果に注目が集まりました。

(1)血液サラサラ効果
同じ魚油であるDHAは神経系統に働きかけ、脳の活動を活性化させることが特長です。
一方、EPAは神経系統への働きかけはないものの血小板の凝集を防ぎ、血栓をできにくくすることで、血液の流れを潤滑にする効果があります。
DHAも同じ血液をサラサラにする効果がありますが、働きが異なり、赤血球や血管の細胞膜を軟化させることで血流を改善します。
両者を比較した場合、EPAの方が血液サラサラ効果は高いとされます。

(2)中性脂肪に対する効果
またEPAは中性脂肪を低下させる効果があります。
中性脂肪はグリセロールと3つの脂肪酸が組み合わさってできたものです。
エネルギー過多や運動不足、アルコール摂取で中性脂肪の値は高くなります。
摂取したアルコールは肝臓で中性脂肪に変換されると、体内で主に肝臓に蓄積されます。
中性脂肪が蓄積されると脂肪肝、脂質異常症や動脈硬化を引き起こします。
しかしEPAは中性脂肪の代謝促進や肝臓での合成を防ぎ、分解する酵素の働きを活性化するなどの効果があります。
そのため、中性脂肪対策にEPAがよいのです。

(3)アレルギー症状の緩和
EPAにはアレルギー症状を緩和する働きが報告されています。
サラダ油などに代表されるリノール酸を過剰に摂取することにより、アレルギーの原因ともなるアラキドン酸由来の物質が体内で生成されます。
これらの物質の中にはプロスタグランジンやロイコトリエンがあり、アレルギー症状を引き起こしてしまいます。
このプロスタグランジンなどの体内物質の生成を、EPAは抑制する効果があります。

EPAの酸化を防ぐセサミン

上述のように健康効果の高いEPAですが、不飽和脂肪酸は酸化しやすいという難点があります。
酸化することで健康成分が損なわれるため、酸化を防ぐことが非常に重要です。

そこで酸化を防ぐために活躍するのがセサミンです。
セサミンはゴマリグナンと呼ばれる健康成分の一種で、ごま油が酸化しにくいのはセサミンの働きによります。
セサミンは高い抗酸化力を持つことで知られ、EPAの酸化を防ぐだけでなく、健康への効果も高いものがあります。
EPAは中性脂肪が肝臓に溜まるのを防ぐ働きから、肝機能改善への効果があります。
そしてセサミンはアルコール分解酵素を活性化させたり、肝臓で抗酸化作用を発揮したりすることで肝機能を改善させます。
つまりセサミンとEPAをあわせて取ることで、肝機能の向上へより高い効果が望めます。

またEPAもセサミンも血管への健康効果が認められる成分です。
EPAが血液をサラサラにするのに対し、セサミンは血管を拡張しコレステロール値を低下させることで血流を改善します。
このようにEPAとセサミンは一緒に取ることで、相乗効果を望めます。

サプリメントなどで一緒に配合されているものが、販売されています。
これはEPAの酸化を防ぐだけでなく、セサミンとの組み合わせることでより高い効果を望めるからなのです。

【参考文献】
セサミンとEPAの効果
http://www.sandbarrensgolf.com/facilities/royal-oaks-grille/
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