セサミンとセサミノール

ごまのダブルパワー。セサミンとセサミノールの違い

昔から健康にいいとされ、漢方にも用いられてきたごま。
ごまが体にいいとされるのは、主にゴマリグナンといわれる健康成分が関係しています。
ゴマリグナンに含まれるセサミンはサプリメントなどで、よく知られていますよね。
同じくゴマリグナンのセサミノールとの違いはどこにあるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。

ゴマリグナンとは

ごまの健康成分であるゴマリグナン。
そもそもリグナンとは植物に含まれる植物エストロゲンの一種で、他にはイソフラボンなどが知られています。
強い抗酸化作用を持ち、植物の茎や根、種子に含まれています。
ごま以外にもブロッコリーや麻、ナッツ、麦類に含まれている成分です。
リグナンは、ごまに含まれている量が他の種類に比べ多いため、ゴマリグナンが1番よく知られています。
ゴマリグナンにはセサミン、セサミノールのほかにはセサモリン、セサモール、エピセサミンがあります。
含有量でいえばセサミンがゴマリグナンの中で半分を占め、次にセサモリンが3割ほど、他は微量に含まれている程度です。

セサミノールとは

ゴマリグナンの代表的存在であるセサミンに比べると、影の薄いセサミノール。
しかしセサミンと同じく抗酸化作用を持ち、健康を維持したい方にとって強力な助っ人です。
ごま油を作る過程でごまに含まれるセサモリンが加熱されることで、セサミノールが生まれます。
ごま油は酸化しにくいと言われる所以は、このセサミノールの働きによるものです。
同じくゴマリグナンのセサモールは茶褐色のごま油に含まれているのに対し、セサミノールは無色に近い透明の焙煎されていないごま油に含まれています。

セサミンとセサミノールの吸収のされ方の違い

セサミノールはゴマ自体に微量しか含まれない物質ですが、ゴマはセサミノール配糖体を多く含んでいます。
このセサミノール配糖体とは、糖の分子がセサミノールと合体したものです。
セサミノール配糖体は腸内細菌により分解され、腸からセサミノールとして吸収されます。
胃腸で分解されずに肝臓に直接届くセサミンと異なり、セサミノールは腸から吸収されることが大きな違いです。
腸から吸収されることでセサミノールは血管を通り、全身に運ばれます。
つまりセサミノールの抗酸化作用は、活性酸素によって体全体の細胞が酸化されるのを防いでくれるのです。

セサミンと共通の効果

セサミンとセサミノールに共通する効果としては、抗酸化作用によって動脈硬化の進行を防ぐ働きが挙げられます。
動脈硬化は進行すると脳梗塞や心筋梗塞、狭心症の原因になります。
原因としては血中の悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化することで、血液がドロドロの状態になり、動脈硬化になりやすくなるからです。
これに対して、セサミンは主に肝臓で、セサミノールが血中で抗酸化作用を発揮することにより、悪玉コレステロールが酸化するのを防いでくれます。
このことからセサミンとセサミノールは、動脈硬化予防に効果があるのです。
セサミノールはセサミンと違い、食品からの方が取りやすい成分です。
無色のごま油やすりごま、練りゴマなどに多く含まれています。
毎日少しずつでも、これらの製品を取り入れていきたいですね。
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