セサミンの持つ抗酸化作用とは

セサミンはゴマに含まれる抗酸化物質です。
なぜセサミンが健康食品として人気が高いのか、抗酸化作用の観点から詳しく見ていきましょう。

活性酸素で体はさびていく

私たちは呼吸によって酸素を取り入れることで、それぞれの器官や細胞を動かすエネルギーを発生させます。
人間が呼吸によって体内に取り入れる酸素の量は、成人で1日約500リットルほどです。
体を正常に機能させるために欠かせない酸素ですが、その一部(2%ほど)は体内の代謝で利用される過程で活性酸素と呼ばれるものに変わります。
この活性酸素は、体内に侵入してきた細菌を排除するなど、免疫機能の一つとして私たちの体を守る働きがあります。
ですが、この活性酸素は紫外線やストレス、飲酒などがきっかけで体内に多く増えすぎると、健康な細胞を酸化させてしまう性質があります。
活性酸素にはスーパーオキシドや一重項酵素、ヒドロオキシラジカルなど4種類が存在し、酸化力が強くなるほど体内の酵素では無毒化できなくなります。
これらの活性酸素が毒性が高いと言われるのは、非常に酸化力が強く、他の細胞の電子を奪うことで機能を低下させたり、癌細胞化させたりするからです。
よく金属のサビに例えられる活性酸素の影響ですが、体内の細胞膜の脂質と結びつくことで過酸化脂質になり、細胞を老化させていきます。
活性酸素は体をサビつかせることで、実に約9割の病気の原因になっています。
この活性酸素を抑えるのに必要なのが、食事から取り入れられる抗酸化成分です。

セサミンでサビつきを防止

食用油は時間がたつにつれて、温度や化学物質の影響を受けて酸化が進みます。
しかしごま油は、他のサラダ油などと比べて酸化しにくいことが特徴です。
酸化安定度と呼ばれる酸化のしにくさを調べる実験で、ごま油は菜種油やサラダ油より数倍以上、酸化しにくいことが判明しました。
ゴマ油が鮮度を保ちやすいのは、ゴマに含まれる抗酸化物質のセサミンが酸化を防止しているからです。
このようにセサミンは脂質の酸化を防ぐ強力なパワーを持っています。

抗酸化物質としてのセサミンの特徴

抗酸化成分は大きく分けて酵素、ビタミン、ファイトケミカルの3種類があります。
酵素はもともと人間の体内に備わる物質で、SOD酵素と呼ばれ体内で活性酸素を抑えることができます。
ビタミンの中で抗酸化作用を持つものはビタミンCやビタミンE、葉酸などがあります。
ファイトケミカルは植物が紫外線の影響から身を守るために発達させてきた抗酸化成分で、その数は数千種類以上とされています。

セサミンもファイトケミカルの一つですが、ほかと比べて特徴的なのは効果を発揮する場所が肝臓だという点です。
肝臓は成人で1.2~1.5㎏もの重さになる人体最大の臓器で、その機能は解毒や栄養の代謝など500以上にわたります。
活性酸素の発生量もダントツで、体全体で発生する活性酸素の70%前後が肝臓で発生しています。
この大量に発生する肝臓での活性酸素を、効率よく抑えてくれるのがセサミンです。
ほかの抗酸化成分の多くは胃腸で消化吸収され、血管内で抗酸化作用を発揮しますが、セサミンは門脈と呼ばれる肝臓に繋がる血管から直接取り込まれ抗酸化作用を発揮します。
セサミンが注目されるのは高い抗酸化力だけではなく、肝臓で働くことで全体の活性酸素を効率的に減少させる点にあったのです。
抗酸化物質として眼精疲労に効くアントシアニンや血管の若返りにいい赤ワインポリフェノールがありますが、肝臓で働く抗酸化物質はそう多くありません。
このためセサミンは活性酸素を強力に除去し、健康増進に役立つ抗酸化成分として注目を浴びているのです。

肝臓機能の向上だけでなく、美肌や血行促進にも効果的なセサミンはゴマを使った食事やサプリメントで手軽に取り入れることが出来ます。
毎日の健康のために、セサミンの抗酸化パワーを上手に取り入れたいですね。
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